MOCミタカ, 磁気式ロータリーエンコーダー
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Rotasyn 標準 RO シリーズ DG シリーズ 特注 Rotasyn Rotasyn 特徴 信号変換 多摩川 1X-BRX ENGLISH
  Rotasyn  レゾルバー   技術説明 レゾルバー の 原理 と 信号変換
  従来の 3 コイル巻線型 ローターを コイル無しの 金属一体型に 改善
JIS Q 9100: 2009, EN9100:2009, AS9100 Rev.c,
ISO 9001:2008

 このページでは 米国Admotec の Mr. David R. Robinson による 技術説明を MOCミタカで 日本向けに編集して 記載致します。 レゾルバ
レゾルバー とは ?
レゾルバーは 位置センサー 或は 変換器とも言え、それが 取付けられている 回転軸の角度位置を 瞬時に 測定する機器です。 レゾルバー と その近い仲間のシンクロは 第二次世界大戦以前から 軍事用に 戦車の回転砲台の 方向測定と 制御に等に 使われて来ました。 レゾルバーは 通常 小型のモーターの様に作られ、ローターが 位置測定される 回転軸に取付けられ ステーターから信号が出力されます。

Resolver という言葉は ローターの 機械的角度を 直交成分 或は 座標幾何学の XY に 「分解 して測定する 機器」 という様な 総称から来ています。  幾何学的な観点から見ると ローターの角度は 直角三角形の 角度θと XYの 関係に当ります。


基本的に レゾルバーは ローターの回転軸の角度の サイン・コサイン値に応じて 信号を出します。 各々の角度に 固有のサイン・コサイン値の 組合わせがあるので レゾルバーは 1 回転( 360°)内の 絶対位置を 測定する事ができます。 この絶対位置測定能力が レゾルバーの インクリメンタル エンコーダーに 対する優位性の 一つです。

電気特性

電気的に言って、Rotasynは、従来のレゾルバーと同じく、励磁 (Primary) と出力(Sencondary) の間の結合が ローター角度の サインとコサインにより 変化する トランスです。 従来のレソルバーの場合は 励磁コイルがローター側に、出力コイルがステーター側に 有ります。そのため 励磁側に信号を繋げるために ブラシとスリップリング 或は 回転トランスが 必要です。 (右上へ)
一方 Rotasyn の場合は ステーター側に 励磁 (Primary) と 出力 (Sencondary) の 両方があり、一体物の ローターを 使っているため 励磁側と 出力側は ローター上で 直接 結合出来ます。

従来の レゾルバーや 全てのトランスの様に、Rotasynも 励磁用に ACキャリアー 或は 基準信号 (励磁ともいう) が 必要です。 この基準信号の 振幅は、 二つの 出力へ 送られるために、ローター角度の サイン と コサイン により、変調されます。



全てのレゾルバーの 励磁 と 出力の 引出しの名称と電線の色は 慣例により 上図の様になっています。
どの様なトランスに於いても 出力で発生した電圧が 励磁コイルに伝えられます。 レゾルバーの場合 この伝えられる 電圧の数値は 変圧比 或は TR と呼ばれ 励磁コイルと出力コイルの 組合せの 最高値で規定されます。 工業用レゾルバーに取り、事実上の標準変圧比は0.5です。 という事は各々の出力から出される電圧は 基準信号の半分の振幅という事になります。

例えば基準電圧 V(R1-R2)VR' と規定すると 出力コイルの電圧は次の式で得られます。
    サイン 出力 : V(S2-S4) VS = VR TR Sinθ
    コサイン 出力 : V(S1-S3) VC = VR TR Cosθ
θは上図にある ローターの機械的角度θです。 (左下へ)

 レゾルバー信号 フォーマット
 
Rotasyn 1次に 適用される 基準正弦波

Rotasyn の励磁(VR)を 上に示した様な 推奨基準正弦波で 励起した場合、出力側の電圧も基準と同じ周波数の正弦波になり 位相もノミナルで 基準と同じになります。 その振幅は 基準の振幅、Roatasyn の 変圧比、ローターの機械的角度の サイン 或は コサインに 比例します。 工業標準の 0.5 TR(変圧率)を適用し、オシロスコープに 現れるであろう 異なった ローター角度の 出力電圧も見る事が出来ます。

ローター角度 0°( EZ ) での レゾルバー信号
例えば、ローター角度が 0°( Electrical Zero 或は EZ と呼ばれ Rotasyn の PCボードに 印が付けられている) の場合、サイン出力の振幅は (sin0°= 0 なので) 0、また コサイン出力の振幅は基準振幅 (cos 0°= 1 なので) の 1/2 になります。

ローター角度 45°での レゾルバー信号
ローター角度 45°の場合、出力電圧は 同じですが、最高値の(sin 45°= 0.707 なので) の 70.7% になります。

ローター角度 90°での レゾルバー信号

ローター角度 90°の場合、サイン電圧は 最高になり、コサイン電圧は 0 になります。


ローター角度 135°での レゾルバー信号


ローター角度 135°の場合、出力電圧は45°と同じですが、コサイン電圧の位相は(cos 135°= - 0.707 なので) 逆になります。
その他の角度に ついても 同じ様に 説明出来ます。

オシロスコープで見える信号は時間の関数ですので、レソルバーの信号はどの様にして時間の関数として現れるかを知る事は役に立ちます。 往々にして ローターの位置に関しては 信号の包絡線 (基準周波数による振幅のenvelope) を 利用すると より便利です。

もし レゾルバーの ローターが励起周波 10 サイクル分の時間内に 完全に1 回転できるとしたら、出力信号のを包絡線をハッキリ見る事が出来ます。 (この様な高速は 中々出ないし 他の問題の原因になりますが、この事を理解するには役に立ちます。)

下の図はローター位置を反映した 出力信号の包絡線を表しています。

サイン出力信号の 変調包絡線 (Envelope)

包絡線の事はさておいて、搬送波信号を除くプロセスは「復調」と呼ばれますが、その変換は R/D(Resolver-to-Digiral)コンバーターにより行われます。

復調された サイン コサインの レゾルバー信号は 下図の様になります。

復調された 出力信号

 R/D 変換 (Resolver to Digital Conversion)
レゾルバーからディジタルへの変換には基本的に 二つの要素が有ります。一つはレゾルバー信号フォーマットから搬送波信号を除いて復調する事、もう一つは ローターの 角度位置の ディジタル値情報を 出す事です。 これらの機能を実行する 最も一般的な方法は RT変換 (Ratiometric Tracking Conversion) と 呼ばれています。 レゾルバーの 出力信号はローター角度のサイン・コサイン値から来ているので信号の振幅 (amplitude) 率はローター角のタンジェントの値に一致します。 という訳で ローター角度θはサイン信号を コサイン信号で割った arc-tangent になります。
   
RTコンバーターはレゾルバーの位置追跡によりarc-tangentの計算を行います。この arc-tangent の計算は三角関数に基づいています。
   
この数式は 二つの異なった角度の差の サインが 二つの角度のサインとコサインの「たすき掛け」 した答の 引算から出せる事を 示しています。  さらに δ= ± 30°の様に 二つの角度の差が小さい時は 計算式をさらに簡単にして にしても特に問題有りません。
   
上記の様に 二つの角度の差が 30°以内の場合は たすき掛け の計算をすると答えが出て来ます。

R/Dコンバーター の 一般的 出力経路

左下の図に示す様に R/Dコンバーターに於いては、この計算式は 乗算型 D/A(Digital to Analog) コンバーターを使って 実行されます。 それは レゾルバー信号 (サインθと コサインθに比例) に コンバーター出力の ディジタル角度δの コサイン と サインを 掛算して行われます。

計算値は引算され、基準信号を 掛合わせて 復調され、そして フィルターに 掛けられ、 レゾルバー角度θとディジタル角度δの間の違い 或は エラー に見合った DC信号を出します。
カウンターに備えられているディジタル角度δは 調整型のオシレーターにより このエラーがゼロになるまで 大きくされたり 小さくされたりします。

エラーが ゼロ の ポイントとは コンンバーターのディジタル角度出力と レゾルバー角度が 等しくなる δ=θの ポイント
です。このディジタル角度のδの調整が レゾルバ角度θに影響を与えるので、このタイプの コンバーターの名前 R/Dに
なっています。

さらに詳しい事に付いては コンバーターメーカーから 入手出来ます。 例えば、
Analog Devices 社: 2S80シリーズ、2S90シリーズ
Control Science 社: 168シリーズ、268シリーズ
などが 有ります。
Analog Devices, Inc.
Tel.: +1 617 329 4700
Fax.: +1 617 326 8703
Web.: Analog Devices


Control Scinces, Inc.
Tel.: +1 617 329 4700
Fax.: +1 617 326 8703
Web.: Control Sciences


上記メーカーの製品を 購入されたい場合は MOC_ミタカ が
輸入を 代行致します。

また 多摩川精機殿の R/Dコンバーターも 使えます。



   Motion Control
   at Mitaka, Tokyo
 最寄り駅 : J R 中央線 三鷹


    代表者 経歴
COPYRIGHTS 2009 MOC Mitaka,磁気式ロータリーエンコーダー